投資に資源を集中させようと、節約と清算を心に決めてから半年も経っていない。見えない力と見えない手が目白押しだ。私の意志は正常だと、Mr.バイアスが優しく語りかけてくる。

ことの始まり

2021年10月、Pixel6という存在が世に出ると聞き、試しに公式サイトを覗いて深く衝撃を受けた。その存在感は日増しに膨らみ、数年ぶりでAndroidスマートフォンに注目し、メールアドレスを予約登録していた。今までにない行動だ。

その後、iPhone13miniを購入しウハウハウホウホしていたから、Googleからの「発売されましたよ〜」メールはすっぽかし、Appleエコシステムの快適さに現(うつつ)を抜かしていた。身の回りをAppleの精鋭に囲まれていると、Androidスマートフォンが逆に怖い。

すってんころりん

好奇心が高いレベルにいても、ゆらりゆらり揺れていたら動かない(動けない)。グーンと沸点に達した瞬間、熱い好奇心に貫かれる(動いた!)。

相変わらず、ガジェット系の動画をぼんやり眺めていて、iPhoneの情報は溢れ返っているのに、Pixel6の話題は少ない。「あ、Pixel6どうなったかな?」と思い始める。スキマ時間でブラウジングすると、最近の不具合ばかり目立ちネガティヴな情報に溢れている。段々と想いが募っていく。

GoogleStoreを見に行くと、何かのセールが始まっていてPixel5aが安くなっていた。ポチってしまおうかなとカートに入れては出して、出しては入れてを数日間繰り返した。これは私の手ではないと、見えない手に濡れ衣を着せる。

カート押し問答に苦しめられていると、視界の隅にPixel6が映った。そりゃ当たり前か。それからPIxel6でもカート押し問答を繰り広げ、金額が金額なだけに「うっかりやっちまった〜!」ともならず、空想のPixel6と接する時間が増えたことで逆に、購買意欲を高めていたのかもしれないと分析してしまう。

サーモン寿司

結局、購入した。

pixel6_boxed

いつも思う。

新しいスマートフォンの箱には幸せが詰まっているのではないか、と。見ているだけで嬉しくなり、明日からも頑張ろうと気持ちを奮い起こさせ、だから今はゆっくりしていいのだと、怠惰が神聖な時間に足を踏み入れても優しく許可してしまう。

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昨年10月に発表された時の第一印象、「サーモンの寿司が海苔に巻かれている」は正しかった。

Could you know Google starts home delivery of Sushi?

I got a beautiful salmon Sushi, it's not cold but very cool!

ガラスに秘められた淡色が映える。「ばえる」なんて濁らせずに、せっかく美しいものを言い表すのだから「はえる」で好いと思う。今の季節によく似合う、桜色がまるで優しく薫ってきそう。

これから暫くは使い分けについて、どのアプリをどちらで管理するか悩みたい。今の時勢を考えたらとても贅沢な悩みで必要かといえば明快に、”No”だと言い切れるにしても。

pixel6_awake

春は目覚めの季節、東洋医学では「生」を表す季節でもある。散りばめられた美しくも儚い桜の一生を想い、平和に守られた穏やかな日常を願わずにいられない。